新茶って何?時期は?美味しい入れ方は?
「今年も新茶の季節がやってきました!」
なんて言葉をよく聞くけれど
・そもそも新茶って何?
・それ以外のお茶と何が違うの?
・収穫時期はいつ?
などなど、改めて聞かれると
う~ん...よくわからない事ってありますよね
というわけで
今回は新茶にまつわる疑問あれこれについて
簡単にわかりやすく説明していきたいと思います
これを読み終えるとあなたは
お茶屋並みの新茶知識が身についていることでしょう
1.そもそも新茶って何?
お茶の樹は、春から秋にかけて4回収穫することができます。
最初に採れるお茶を「一番茶」といい
次が二番茶、その次が三番茶、最後が四番茶となります。
その年最初に摘んだお茶(つまり一番茶)を新茶と呼びます。
2.新茶は普通のお茶と何が違う?
お茶の樹は、冬季に栄養分を蓄え
温かい春になると、新芽として成長しますが
やっぱり最初に採れるお茶に
その栄養分がたっぷり含まれています
収穫が後になる程
茶葉に含まれる栄養分は
どんどん減っていきます
新茶に多く含まれる成分で
一番重要とされるのは何といっても
旨味成分であるアミノ酸です
これこそが「旬の旨味」です
さらに、お茶に含まれるアミノ酸の中身は
テアニン、グルタミン酸などがあります
ちなみになんですが、
グルタミン酸を人工的につくった
調味料があの「味の素」なんですよ
知ってました?
というわけで、新茶とそれ以外のお茶の違いは
・摘みたての鮮度
・二番茶以降に比べ旨味成分が多い
ということになります。
3.新茶の時期はいつ?
新茶の収穫時期はズバリ!
4月中旬から5月中旬
季節は春!
期間があいまいなのは
地域差や環境差があるためです
国内で早く収穫が始まるのは九州で
そこから徐々に北上していきます
弊社がある静岡県西部は毎年4月下旬には
新茶の販売が始まるイメージです
実は、新茶の時期が近づくと
目安にしているのが「桜の開花」です
桜の開花情報は
その年の気候によって
例年に比べ○日早いとか、遅いとか
ニュースで流れますよね
新茶も桜の開花と比例しているので
桜の開花が早ければ、新茶の収穫も早いな
という予想が立ちます
4.新茶の美味しい入れ方は?
まず大前提として知っていただきたいことがあります
それは、お茶の味を決める成分についてです
ザックリ言うと
・旨味
・渋味
の2つです
・旨味の成分=テアニン
・渋味の成分=カテキン
とご理解ください
旨味と渋味のバランスで
お茶の味は構成されています
・旨味=テアニン
・渋味=カテキン
これらの成分は、実は
お湯の温度で出方が変わります
というか、変わるのはカテキンだけですね
・旨味=テアニン=一定
・渋味=カテキン=高温
旨味成分のテアニンは、低温でも、高温でも抽出度は一定です
一方
渋味成分のカテキンは、低温では抽出されず高温でよく出ます
お茶の場合、その価値を決める一番の要素は
「どれだけ旨味が含まれているか」です
そして新茶には旬の旨味がギュッと凝縮されています。
話を戻すと
・旨味=テアニン=一定
・渋味=カテキン=高温
なので
新茶を入れるときは、その価値の源である
旨味を引き出す入れ方がいいね
ということです
じゃぁ旨味を引き出すにはどうすればいいかというと
「低温で入れる」
というのがその答えです
高温で入れてしまうと
渋味成分のカテキンが多く出てしまいます
味の強さは、渋味>>>旨味なので
旨味が負けてしまうんですね
一煎目は、
1.急須を用意する
2.茶葉8gを入れ、平らにならす
3.40℃のお湯を、茶葉が浸るくらいの量(深むし茶はちょっと多めに)注ぐ
4.1分間抽出させ、爽やかな香りを楽しむ
5.一滴残らず湯飲みに注ぐ
すると新茶の旨味だけを楽しむことができます。
きっとあなたも
「えっ、お茶ってこんなに甘いの?」
とビックリするでしょう。
二煎目も低温で旨味を楽しみ
三煎目以降は高温で渋味を楽しむ
そんな風に味の違いを感じる入れ方をお勧めします
5.新茶の保存方法は?
まずあなたに知っておいて頂きたいことがあります。
それは、
茶葉を劣化させる三大要因です。
茶葉はこれらに触れると急速に劣化します。
その三大要因とは
1.水
2.空気
3.光
この3つです。
これらの劣化要因から茶葉を守るのが
茶筒の役割となります。
できるだけ密閉率の高い茶筒が理想で
内蓋がついていればさらに効果的です。
しっかり密閉することで
香りも逃げにくくなりますし
湿気を防ぐことにもなります。
「そうは言っても、開け閉めするたびに
空気や光には触れちゃうよ~」
と思うでしょ。
そうなんです...おっしゃる通り。
なので、茶筒に保存する量は
1か月程度で使い切れる量にしてください。
茶筒の大きさですが、
1か月で使い切る量に対して
茶筒が大きすぎると
その分空気と触れてしまうので
適切なサイズをお選びください。
購入したお茶の袋には
賞味期限が記載されていますが
それは
あくまで未開封の場合になります。
茶筒に移した後も
美味しく召し上がっていただくためには
1か月で使い切っていただくのが理想です。
そして、高温多湿やニオイ等から劣化を防ぐために
茶筒は冷暗所で保管しましょう
理想的なのは、やはり食器棚の中です。
「えっ、冷蔵庫の中じゃないの?」
と思われがちですが
冷蔵庫は湿気もありますし
他の食品からの移り香も気になります。
三大要素から茶葉を守れるのであれば
茶筒でなくても構いません。
100円ショップなどでも売られている
お菓子の袋留めでもOKです!
まとめ
1.そもそも新茶って何?
その年、最初に採れたお茶です
2.新茶と他のお茶は何が違う?
・摘みたての鮮度
・二番茶以降に比べ旨味成分が多い
が他のお茶とは違います
3.新茶の収穫時期はいつ?
4月中旬から5月中旬です
4.新茶の美味しい入れ方は?
最初は低温少量のお湯で旨味を楽しみ
段々と熱いお湯で渋味をお楽しみください
5.新茶の保存方法は?
茶葉を劣化させる三大要因
水、空気、光
を避けて保存してください。
おススメは茶筒やお菓子の袋止めです。
「マツコの知らない世界」で紹介「さがみ園お茶ポテト」
●この記事を書いたのは...
・氏名:菊地原 敦史(きくちはら あつし)
・株式会社さがみ園 代表
・昭和47年生まれ 静岡県浜松市在住
・家族は妻と長男
2012年1月1日、前代表の急死に伴い急遽代表に就任
右も左もわからず、伝票の書き方も知らないまま
「さがみ園の味と、お客様を守る!」ことだけを考え
色々な方に助けていただきながら今日に至る
・煎茶道・松月流
・静岡市・寿苑
・お寺の和尚さん
・お茶と水研究会
等より美味しいお茶の入れ方を学ぶ
お客様にとって役立つ情報、お得な情報をお届けすべく
このコラムを書いています
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